ある条件において発生するミジンコの耐久卵、休眠卵やカプセル卵とも呼ばれています。
ある条件とは、生息環境が悪くなることを指し、個体数の過密状態や衛生環境、水の枯渇などが挙げられます。
丈夫な殻の中で休眠し、孵化できる環境が整うまでじっとしている様子は、発芽のときを待つ植物のようです。
ここでは、ミジンコの耐久卵の作り方、卵の仕組みについて見ていきましょう。
耐久卵の作り方・ミジンコの特徴を知ろう
自然の中や水槽内においても環境の悪化により、耐久卵が発生する訳ですから、意図的に作り出すことは可能です。
自然では水の不足や枯渇が主な原因とされていますが、水槽飼育においては個体の過密状態を作り出すことで、耐久卵の発生条件と満たすといえるでしょう。
もっとも、耐久卵を作る過程に至る前に、ミジンコが耐えきれず激減するリスクはありますが。
ここからは、耐久卵が発生までの過程を見ていきましょう。
オスの発生から始まる
ミジンコは、ふだんメスだけが生まれ増えていきます。
これは単為生殖といい、メスの遺伝子だけを持った単卵性の卵が作られるためです。
環境が悪化するにともない、オスが誕生しメスと交配をすることで耐久卵が作られます。
丈夫なさやに入った2つの卵が、ミジンコの背中側にある育房に発生。
通常ミジンコは、育房で孵化した子どもを水中へ産みますが、耐久卵の場合は、卵のままの状態で産み落とします。
眠りながら環境の回復を待つ
産み落とされたミジンコの耐久卵は、乾燥や低温の中を環境が良くなるまで休眠しています。
この休眠状態は長い年月を耐えることができ、40年ほど土の中にいたミジンコの卵が孵ったこともある程です。
状況が好転し孵化する場合も、一度に生まれることはありません。
環境が継続的に良くなるかを見極めながら、少しづつ生まれてきます。
まとめ
ここまで、ミジンコの耐久卵の作り方、卵の仕組みについてふれてきました。
本来ならば子孫を残すための耐久卵も、ミジンコの特徴や作り方が分かれば、意図的に発生させることができることをお伝えしました。
その耐久卵に驚かされたのは、長い年月を耐えることや環境を見極める能力があることです。
これが、自然界を生き抜く知恵なのでしょう。