ミジンコといえば何となく知っている、イメージできるという方が大半を占めると思われますが、ミジンコの耐久卵となると、どれくらいの方が知っているでしょうか。
通常においてはあらわれることなく、生息環境が悪くなると発生し、暮らしやすい環境に戻るまで卵のままでじっとしています。
ここでは、ミジンコの耐久卵についてご紹介します。
ミジンコのオスが生まれて耐久卵が作られる
オスが生まれて耐久卵が作られる、ごく普通であたり前のことに感じられたかもしれませんが、ミジンコにオスが生まれることは、緊急事態といって良いでしょう。
なぜならば、通常生まれてくるのは、すべてメスだからです。
これは、単為生殖(たんいせいしょく)と呼ばれ、オスと交配をすることがないため、メス側の遺伝子を持った子だけが生まれることになります。
ミジンコの単為生殖と耐久卵
飼育環境の整った水槽の中で、つぎつぎと増えているミジンコはすべてメスです。
卵子と精子が受精することなく発生することを単為発生と呼び、メスだけが生まれることを産雌単為生殖といいます。
耐久卵は、過密状態や水がなくなるなどの環境が悪くなったときに作られます。
好環境では生まれないオスが発生し、交配を行うことで作られた卵はさまざまな環境の変化に耐えられるほど丈夫です。
休眠状態の卵は、乾燥や寒さに耐え、環境や条件が良くなった時に孵化します。
耐久卵は魔法のカプセル
成長したミジンコの大きさは2ミリ~3ミリほど、背中側にある育房と呼ばれる場所に卵はおさめられます。
メスだけの単性卵は育房に数多く発生し、孵化をしてから水中にでます。
耐久卵も同じように育房に発生しますが、単性卵と比べて大きさがあり、さや状のカプセル(殻)に2つの卵が入る。
耐久卵は卵のまま産みおとされ、環境が良くなるまで何年も休眠します。
条件が整い孵化する場合も、一度にすべてが生まれることはありません。
再び環境が悪くことを想定して、少しずつ孵化をおこないます。
このことは、自然界の凄さやミジンコの知恵を感じさせます。
まとめ
ここまで、ミジンコの耐久卵について紹介しました。
ふだんは発生することはなく、環境が悪化したときに作られます。
単性卵より大きさがあり、丈夫な殻の中で孵化する条件が整うまで何年も休眠できる特徴があります。